インタビュー

平沢の街に300年続く老舗。時代によって移り変わる、漆製品の製造販売。

巣山 徹Toru Suyama
巣山庄兵衛漆器店

漆塗り総無垢材仏壇を製造販売。ケヤキ、タモなどの厳選した無垢材を使用し、加工から組み立て、漆塗装まで、すべてを自社工場で行い、直販価格で販売しております。置き場所に合わせた形・寸法で作る仏壇は、伝統の拭き漆の技法で仕上げた落ち着いた美しさとつやがあります。

時代や家庭様式の変化に合わせた製品作り。

インタビューに答える巣山さん

普段のお仕事の内容を教えて下さい。

私達は、受注から製造、納品までを全て自社で行っています。長く続ける中で、その時代時代にあった製品の製造販売を行ってきました。

昔は、慶弔事は皆各自宅で行うことが多くその時はお膳の製造を主に行っていました。やがて木曽平沢の街全体として座敷机を作り一代を築いたそんな時代もありました。その後、茶箪笥や高級家具としての需要もありましたが、時代の変化や家庭様式が変化するに連れて、今は仏壇の製造を行っています。

漆塗りで作られた仏壇

製造から販売まで行っているんですね。

出来る範囲というのは、限られている部分もありますが、自分たちの作った製品をしっかりと納得して使ってもらいたい。

だから製造した製品は、私が自分で、お客様の元まで配達し、収めるところまで責任をもって行わせて頂いています。

配達までご自身で行っているんですね。

重いものも運ばなきゃいけないから体も作らなきゃと思い、今でも、週に二回はスポーツジムにも通っています。(笑)工場には普段から職人が3人がかりで製品の製造や修復作業を行ってくれていますが、販売は私が一人でやらせてもらっています。

ですので、お店にいらして頂く際にはいないこともありますので事前にお電話を頂ければと思います。

工場で働く職人さん
工場で働く職人さん

手をかければかけるほど、奥行きが出る。深みを楽しんで欲しい。

漆製品の良さを教えて下さい。

一番は深みがあるところですかね。ものづくりってなんでもそうだと思うんですが、手をかければかけるほど奥行きが出てくる。人間も苦労した人の方が深みがあるでしょ?いくつもの工程を経て出来上がっている漆製品にはやはり、工業製品とは違った深みを楽しむことが出来ることが良さと言えるのではないでしょうか。

巣山庄兵衛漆器店さんの漆器製品。

天然由来の漆は、生活の中に温かい空間を作ってくれる。

工場で働く職人さん

なぜお仏壇づくりを初められたのですか?

テレビのニュースなんかで、火事の様子が映るとよく黒い煙が上がっているのを目にしますよね。あれは、製品に使われている塗料が一つの原因となっています。

それを見たときに、本物を作らなきゃだめだと思い立ったのがきっかけです。漆という自然由来の塗料は私達の生活の中に馴染み温かい空間を作ってくれます。そうした物に囲まれた安心して生活できる空間をこれからも提供していきたいと考えています。

これから漆製品を購入される方にメッセージをお願いします。

皆さんと行き合ってお話ができる機会がこれからも沢山もてればと思います。

お店にも是非お越しください!

巣山庄兵衛漆器店 店内の様子